いちからわかる!冷熱機械とは

いちからわかる!冷熱機械とは

目次

「冷熱機械(れいねつきかい)」という言葉を聞いたことありますか?

実は「冷熱機械」は身の回りのいたるところで使われています。食品を新鮮に保つ冷蔵庫や冷凍庫や室内の温度を下げるエアコン。 「冷熱機械」という言葉を聞いたことがなくても、さまざまな場所で私たちの生活を支えています。

私たち平岩熱学は産業冷熱機械に専門特化の企業。冷熱機械に関わるお困りごとはなんでも解決するプロフェッショナル集団。提案から設営からまでを請け負っております。“なくてはならない機械”だからこそ、安定して利用できる。そんな当たり前を守る。

冷熱設備のプロである平岩熱学から、そもそも冷熱機械とはどのようなものなのか。くわしく説明させていただいます。

冷熱機械(れいねつきかい)ってそもそもどんな物?

簡単に言うと、「熱」を移動させる機械。

たとえば冷凍機では、冷熱機械が冷凍庫内の温度をためて、外気で冷やします。そして冷たくなった温度を再び冷凍庫内に戻すことで、空気を冷却しています。

一般的によく使われている冷凍機は、膨張と圧縮による温度変化を利用して効率的に冷やします。膨張している問に熱を吸収し、圧縮しているときに空気を放出する。

バケツリレーのように熱を移動させています。そのときに利用されるのが、冷媒。フロンガスを代表とするフロンガスの特性を活かし、効率的に温度変化を行えます。

圧縮機で冷媒を圧縮冷媒は高温高圧の気体になる 圧力を急激に下げて冷媒の温度を下げる 冷却:冷媒が熱を奪って気体になる周りの温度が下がる 放熱:外気に放熱する冷媒が冷えて液体になる

基本的な流れは以下のようになります。

  1. 熱を吸収する(蒸発)

    冷媒が低い温度と圧力の状態になり、周りの熱を吸収して気体になります。これは、例えば冷蔵庫の中で食品の熱を奪うイメージです。

  2. 熱を移動させる(圧縮)

    吸収した熱を冷媒が運び、圧縮機という装置でギュッと縮められます。すると、冷媒の温度が上がります。

  3. 熱を放出する(凝縮)

    温度の高くなった冷媒が、放熱器(室外機など)で冷やされ、熱を外に放出して液体に戻ります。これは、エアコンの室外機から温かい風が出る理由です。

  4. 冷媒を再び冷やす(膨張)

    液体になった冷媒は、膨張弁という狭い通路を通ることで、急激に圧力が下がり、再び低い温度になります。そして、また熱を吸収する工程に戻ります。

「吸収 → 移動 → 放出 → 再び冷やす」
というサイクルを繰り返すことで、
冷熱機械は温度をコントロールしています。

冷熱機械の花形。「冷凍機」の話

冷熱機械の花形。「冷凍機」の話

冷凍機

室温は上げるより下げるようが難しいです。室温を上げる場合にはヒーターやストーブ。暖をとるだけなら焚き火などの原始的な方法でも大丈夫です。

しかし、室温を下げる場合はより複雑な機構が必要。そのため機械的な冷却装置が誕生するのは19世紀ごろになります。

それから200年以上経過した現在、冷凍機は冷却方式や圧縮機の種類などによって様々に分類できますが、代表的なものとしては以下の2つが挙げられます。

蒸気圧縮式冷凍機

最も一般的な方式で、家庭用冷蔵庫やエアコン、業務用の冷凍冷蔵庫など幅広く利用されています。

<原理>

  • 1.圧縮

    冷媒ガスを圧縮機で圧縮し、高温・高圧にします。

  • 2.凝縮

    高温・高圧の冷媒ガスを凝縮器で冷却し、液体にします。この時、熱を放出。

  • 3.膨張

    液体の冷媒を膨張弁で急激に減圧し、低温・低圧にします。

  • 4.蒸発

    低温・低圧の冷媒が蒸発器で周囲の熱を吸収し、気体になります。この時、周囲の温度が下がります。

このサイクルを繰り返すことで、冷却効果を得ます。

<特徴>

・小型で効率が良いものが多い
・幅広い温度帯に対応可能
・構造が比較的シンプル

圧縮機の種類 往復式、ロータリー式、スクリュー式、遠心式などがあります。

吸収式冷凍機

主に大型の空調設備や、工場などの排熱利用として用いられます。

<原理>

冷媒(主に水やアンモニア)を吸収液(臭化リチウム水溶液など)に吸収させる際の熱化学的な反応を利用します。

  • 1.圧縮

    低温の冷媒が蒸発器で冷却対象から熱を奪い、気体になります。

  • 2.凝縮

    気体になった冷媒を吸収器で吸収液に吸収させます。この時、熱が発生します。

  • 3.膨張

    冷媒を吸収した吸収液を再生器で加熱し、冷媒を蒸発させます。

  • 4.蒸発

    蒸発した高温の冷媒を凝縮器で冷却し、液体に戻します。

  • 5.膨張

    液体になった冷媒を膨張弁で減圧し、再び蒸発器へ送ります。

<特徴>

・振動や騒音が少ない
・排熱や未利用の熱エネルギーを有効活用できる
・大型の設備に向いている
・COP(エネルギー消費効率)は蒸気圧縮式に比べて低い場合がある

圧縮機の種類 往復式、ロータリー式、スクリュー式、遠心式などがあります。

その他の冷凍機

上記以外にも、特殊な用途に用いられる冷凍機があります。

スターリング冷凍機

冷媒(主に水やアンモニア)を吸収液(臭化リチウム水溶液など)に吸収させる際の熱化学的な反応を利用します。

GM冷凍機 (ギフォード・マクマホン冷凍機)

などの医療機器の冷却に利用されます。

パルス管冷凍機

振動部が少なく、信頼性が高いのが特徴です。

吸着冷凍機

ゼオライトなどの吸着材を利用し、比較的低温の排熱を利用できます。

このように、冷凍機には様々な種類があり、用途や必要な冷却能力、エネルギー源などによって最適なものが選択されます。

冷熱機械には欠かせない「冷媒(れいばい)」の話

冷熱機械には「冷媒(れいばい)」が欠かせません。
冷媒とは熱を運ぶ役割を担う、特別な液体や気体のことです。冷熱機械は冷媒が熱エネルギーを「バトン」のように受け渡し、必要な場所へと移動させる働きをしています。

冷媒の最も重要な性質は、温度や圧力の変化によって、液体と気体の状態をスムーズに変化させられることです。この性質を利用して、冷熱機械の中で次のような働きをしています。

熱を吸収する
低い温度と圧力の状態になった冷媒は、周りの物体や空気から熱を奪い、気体へと変化します。この時、周りの温度が下がるのです。
熱を放出する
高い温度と圧力の状態になった冷媒は、熱を周りの物体や空気に放出し、液体へと変化します。この時、周りの温度が上がります。

冷熱機械のシステムは、この冷媒の状態変化を繰り返すことで、「冷やす」という働き(ある場所から熱を奪う)や、「暖める」という働き(ある場所に熱を移動させる、または作り出す)を実現しているのです。

冷熱機械の活躍場面

社会ではたくさんの冷熱機械が活躍しています。

家庭エアコン、冷蔵庫、冷凍庫など
店舗やオフィスで業務用エアコン、ショーケース、冷凍倉庫など
工場製品を冷却する装置、温度管理が必要な製造ラインなど
物流倉庫業務用エアコン、冷蔵倉庫、冷凍倉庫など
車や電車カーエアコン、列車の空調など
医療現場手術室の温度管理、医療機器の冷却など

冷熱機械は私たちが快適に生活したり、様々な産業活動を行ったりするために、なくてはならない機械です。

冷熱機械の未来

冷熱機械の未来

未来

冷媒として代表的なのはフロンガスです。フロンガスは不燃性、化学的に安定、液化しやすい、毒性が低いという特徴から、冷媒に適している物質として広く使われていました。

しかし近年の環境配慮の観点から、地球温暖化効果のあるフロンガスより代替フロンやより環境負荷の少ない冷媒が求められることが多くなっています。

平岩熱学でも地球温暖化効果のあるフロン系冷媒から、CO2やアンモニアなどの自然ガスへの移行を推進しています。

より環境負荷が少なく、長く、安定的に使える冷媒にトレンドがシフトしてます。

世界全体の問題である環境問題にも、平岩熱学は挑戦しています。

お客様の課題解決と社会貢献、そして従業員の幸福。
それらすべてはこれからの日本に必要なものだと思います。

私たち平岩熱学はそれらすべてを達成するために挑戦を続けています。

人間と機械をつなぎ、世の中をより良い社会にする。

ぜひ、平岩熱学の仲間になってください。